エッセイ~家族への愛~
- 公開日
- 2025/10/15
- 更新日
- 2025/10/15
学校の様子
10月15日(水)
2年生のフロアに、向田邦子さん作の『字のない葉書』での学びを生かして、生徒の皆さんが書いた「エッセイ~家族への愛」のいくつかが展示されています。2作品だけですが紹介します。
「私のお兄ちゃん」
私はお兄ちゃんが好きじゃない。意地悪をしてくるし、お兄ちゃんが使った後の洗面所はいっつもびしょびしょ。大音量で音楽を聞くから本当に迷惑。そんな愚痴をお母さんにこぼすと「昔は仲良しだったのに」と言われるけど全く信じられなかった。
ある日スマホをいじっていると、写真アプリから『7年前の今日』と通知がきた。開いてみると、そこにはお兄ちゃんの袖をつかんで学校へと歩き出している小一の時の私の後ろ姿があった。そしてその写真を見て思い出した。照れて手を繋いでくれないお兄ちゃんの袖を無理矢理つかむくらいお兄ちゃんっ子だったこと。お母さんに聞いてみると、小さい時食べるのが好きじゃなかった私にご飯を食べさせてくれたり。私がいたずらをして怒られている時、おちゃらけて場を和ませてくれたり。妹思いのいい兄だったらしい。
今はそんな様子1ミリもないけど、別にお兄ちゃんが嫌いなわけでもない気もしてきた。
「いつもの日々」
私はある日、ふと思った。毎日朝ご飯があることは、とても幸せなことだと。
朝起きたら、いつも通りのご飯。おにぎりやおかず、お茶が並べられている。その日の私はあるニュースを思い出していた。食料が足りず、満足に食べられない人々のニュース。お母さんが言っていた「作ってもらえることは当たり前じゃない」という言葉の意味が分かった。だから私は「いただきます」や「ごちそうさま」、「ありがとう」という言葉を伝えることが大切だと思っている。私が「いただきます」と言うと、おばあちゃんは笑って言葉を返してくれた。その様子を見てお母さんは幸せだと話す。その時に私は「幸せと愛は連鎖するのだ」と感動した。
人は満たされていると自覚しないと足りないと感じてしまう。だから自分が幸せと気付いたとき、この気持ちを大切にしようと思ったのだ。
ここでは紹介できませんでしたが、他にも素敵なエッセイが展示されています。ぜひ、目を通してみてください。