1月24日(金) 額中お宝探し(愛新覚羅溥傑による「校訓の扁額」)
- 公開日
- 2025/01/24
- 更新日
- 2025/01/24
R6 学校の様子
職員室廊下にたいへん立派な字で書かれた校訓の額がかかっています。
以前は職員玄関に掲げられていたそうです。
何と、これを書いたのは愛新覚羅溥傑(あいしんかくら ふけつ)という人物なのです。
額縁の裏に、今から25年前の新聞記事が貼られていたので、その内容を紹介します。
愛新覚羅溥傑(あいしんかくら ふけつ)という名に感慨を覚える人は少なくなった。
映画「ラストエンペラー」の主人公としても知られる清朝最後の皇帝・愛新覚羅溥儀(あいしんかくら ふぎ)の実弟である。
辛亥革命(しんがいかくめい)による退位、日本が中国東北部につくり上げた「満州帝国」皇帝、日本の敗戦と中国建国という激動の歴史を歩んだ兄とともに、波乱の人生を送った人である。
その溥傑の筆になる校訓が額中に掲げられている。苦難の二十世紀を生きた人との結び付きは、いささか奇異に映る。
清朝の血を引く溥傑は、戦後の中国でも要職を歴任し、八十六年の生涯を終えた。能筆家として知られ、日本人を妻にしたために戦後も日本と深くかかわり、書を愛蔵する人も多い。が、校訓に筆を染めた例は珍しいとされる。
気迫のこもる端正な文字の「健康、自主、勤労、協力」という※扁額(へんがく)がどのような経緯で誕生したか、もう学校関係者には伝わっていない。歴史の授業に溥傑の名が出てくる時代ではない。初代校長が定めた校訓に生徒は親しむが、したためた主のことがあらためて語られることもない。
額の裏に溥傑の死去を報じる短い新聞記事の切り抜きが収められ、能筆家への愛惜を表しているだけである。(平成12年 2000年11月28日 北國新聞夕刊より)
学校の歴史を刻む宝として、今後も大切にしていきたいと思います。
※扁額(へんがく)とは、「室内や門戸にかかげる横に長い額」のこと。